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NPO法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク編著
田中敦監修「北海道ひきこもり支援ハンドブック」
(公益財団法人秋山記念生命科学振興財団助成金事業)
A4版124頁
画期的ハンドブックを刊行された皆さまに心から感謝いたします。なぜ画期的かと言いますと、第1に、私が知る限りでは公的機関だけではなく、家族会・当事者会など市民レベルの取り組みをこれだけ網羅した本は初めてだと思います。第2に、その紹介が直接取材した人にしか書けない具体的なものであり、活動の息吹がしっかり伝わってくることです。第3に~と言うよりこれが最大の意義だと思いますが~取材・執筆がひきこもりを体験した当事者ということです。第4に、『「ひきこもり」の理解と対応』『「ひきこもり」の解決とは何か』という田中敦さんの論文が本質を突き、しかも分かりやすいこと。第5に、そのことにふまえ『家族のひきこもり対応マニュアル』がとても実践的なことです。
メインとなる『当事者がとらえた社会資源マップ』はとても実用的な内容ですが、同時に当事者ならではの感性が随所に光っています。道南地域から3箇所取り上げていただきましたが、やっている本人たちは意外と気がついていない「自分たちの持ち味=価値」に気づかされたことも感謝しています。
例えば、「はこだて若者サポートステーション」で『会場内を歩いていた時に挨拶してくれたのは、ロシアと思われる人だった。緊張をほぐされたと同時に「自分がここにいていい」という安心感が瞬時に得られた』というのは、国際交流センターがサポステ事業を行う意義を見事に表現していると思います。ひきこもり当事者の集い「樹陽のたより」についても、『学生サークルのような、開放的で和やかな雰囲気を感じ取った』『気さくで良心的な感じがする人が多いので、人と接せることが苦手な人でも安心して参加することができる場だ』と評価いただき、手探りでやってきた私たちにとって嬉しいかぎりです。
道南ひきこもり家族交流会「あさがお」についても『たくさんの親子が集まって、まるで大家族のような雰囲気。親と子、他人と自分の境目がなくなっているようで、人間本来の連帯感を味わえる場である』と紹介いただき、来年で発足10年を迎える当会の今後の方向性を示していただいたように感じました。
また、「トピック2」の釧路市生活福祉事務所・櫛部主幹のインタビューも出色です。
「生活保護受給者は街の重要な担い手」という発想は「目からウロコ」で、そのために行政は何をしなければならないか極めて重要な提言をされていますので、特に行政関係者には是非ともぜひとも読んでいただきたいと思います。(野村俊幸)
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